自治体での「電子決裁・電子文書管理システム」導入本格化の兆し
昨年から今年に掛けて、市役所レベルの自治体で「電子決裁・電子文書管理システム」の導入が増えています。これには次の2つの要因があると考えます。
1.行政文書の電子的管理についての基本的な方針
平成31年3月に、この方針は内閣総理大臣決定となっており、
・電子媒体の正本・原本化
・バランスを確保しつつ、作成から移管又は廃棄までのプロセス全体を通じて電子化
が示されており、実現のためには電子決裁・電子文書管理システムが必要であること。
2.自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画 第2版
令和4年9月に総務省から上記DX推進計画 第2版(2021年1月から2026年3月まで)が提示されており、これらの施策を実現していくためには「電子決裁・電子文書管理システム」が必要です。
■「デジタイゼーション」では行き詰まる
今ある仕事の仕方を単にデジタルの仕掛けに載せるだけでは、効果は限られますし、場合によっては、非効率になることがあります。
行政に限らず、同じ仕事を長期の継続してきた職場では、個々の作業が何故行われているか、その作業の仕方で十分なのか足りていないのかすらわからなくなってきます。その仕事を設計した人がいなくなり、その意図が文書として残っていないからです。
こんな状態で、そのままデジタル化しようとすると、すぐRPAだ、AI-OCRだという極端なところに解決を求めることも増えます。
■システム導入の前に
行政文書に対しては、内閣府から「行政文書の管理に関するガイドライン」や「行政文書の管理に関する公文書管理課長通知」が公開されている。しかしながら、いきなりこれらの中の個々の細目に仕事を合わせ込むことより重要なのことは、次の2点だと思います。
①公文書管理法に立ち戻る(記録管理の原理に立ち戻る)
②紙と電子(デジタル)の差を理解する
■公文書管理法の基本とは
それは、国民、住民に対する説明責任を果たすことです。つまり、行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるようにすることです。
逆に言えば、都合のいいものだけを残し、都合の悪いものは抹消することとは真逆です。これは、文書管理、記録管理の原理とも一致します。
■紙と電子(デジタル)の差を理解する
過去には、電子文書は改ざん、隠滅が容易いとされた時代がありましたが、今は、電子帳簿保存法でも改ざん防止を求め、それに応えるJIIMA認証製品が販売される時代です。森友、桜を見る会など紙文書であるがゆえに簡単に改ざん、隠滅された経験も踏まえ、紙運用での限界の理解も必要です。
■文書情報マネージャ―認定セミナーの受講をお勧めします。
記録管理の原理、紙と電子(デジタル)の差を理解することが「電子決裁・電子文書管理システム」を使いこなすためには必須です。決して従来の分類・整理だけのファイリングでは、対処できるものではないと考えます。
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