生成AIの有効活用に、文書情報管理が欠かせない
■自社ノウハウの抽出に、生成AIを利用するケースが増えてきています。
生成AIの利用分野の一つとして「自社ノウハウの抽出に利用する」がありますが、生成AIが驚異的な速さで進歩しており、テストだけでなく実際に利用されている事例も出てきています。
12月17日に本委員会の研究会で取り上げます(株)レゾナック様の社内技術資料への適用もこの分野の事例の一つです。
■生成AI利用上の注意点
生成AIは、まず社内の文書を予め一所懸命学習します。その後、利用者からの問い合わせに対し、学習結果を使ってスピーディに応答します。場合によっては、応答に使った根拠資料も提示してくれます。いわば生き字引の役割を担ってくれます。
しかしながら、生成AI利用上の注意点もあります。その中から、文書情報管理に関係した事項についてピックアップします。
一つ目は、ハルシネーション(幻覚)で、間違いを生成すること。そのため、その回答に利用した根拠を確認し、ファクトチェックする必要があります。
二つ目は、機密情報の流出や他者権利の侵害です。本来、当該情報を閲覧する権限のない人にその情報を使って回答してもいけませんし、回答された内容についても、それを利用するにあたって他者の権利を侵害していないかの確認が必要です。
■生成AIの有効活用に文書情報管理が欠かせない
(1)情報信頼性の高い文書情報のフォルダを生成AIの対象とする
作成途中の文書や個人の感想に近い文書も含めて生成AIの対象としてしまうと、ハルネーション以前の問題として、そもそも利用価値が疑わしくなります。そのため、生成AIの対象としては、組織でオーソライズされた文書、あるいはある定められたプロセスを通ってきた文書のみを保存することが必要です。これは文書情報の管理の重要項目の一つでもあります。
(2)閲覧権限の適切な設定、他者権利の管理
フォルダの閲覧権限の適切な設定、管理も文書情報の管理の重要項目の一つです。そして、他者に権利のあるものはその文書属性として管理すべきものです。
■生成AIの活用と併行して、文書情報管理の推進をしませんか。
いかがでしたか。生成AIツールだけ導入すれば、効果があがるものでもなく、逆にリスクを固める可能性があることがわかって頂けたと思います。生成AIの活用はもはや避けることができない課題ですので、早目に文書情報管理の推進に着手しませんか。
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