書類保管箱1000箱を電子化したらどれくらいの容量になる(試算)

 わが社には、紙書類が大量にあるという声をよく耳にします。
 そこで、その紙書類をスキャンして電子化すると、どのくらいの容量になるかを試算してみます。

■書類保管箱には、書類は何枚入っているのか。

 書類保管箱の幅(内寸)は、概ね42cm程度です。1cm辺りA4書類100枚程度ですので、1箱当たり最大4000枚程度です。バインダや個別フォルダに書類を綴じ、それを書類保管箱に収納しますので、実質的には1箱辺りA4書類 3500枚程度となります。

■書類1枚当たりのファイル容量はどの程度か。

 画像を多く含むとスキャンしたときの容量が増えますが、通常は、ビジネス文書で片面と想定し1MB/枚と仮定します。このように仮定すると、書類保管庫1箱をスキャンしたときのファイル容量は、3500MB3.5GBとなります。

■書類保管箱 1000箱の容量と保存コスト

 書類保管箱1箱の容量は、3.5GBですので、1000箱ですと3.5TBとなります。
 NASタイプで30万円~40万円/台程度です。5年間使用と想定すると6~8万円/年です。
 SharepointOnlineの追加容量料金を25円/GB/月と仮定すると105万円/年です。Boxの場合は追加費用が掛かりません。

■書類保管箱1000箱の保管費用はどの程度か

 書類保管箱の保管を外部の専門保管業者に依頼したとします。初期の引き取り費用と取り出し費用は別にして、今回は1箱当たり200円/月で試算します。
 そうする毎月20万円、毎年240万円、10年で2400万円、20年で4800万円の費用がかかります。
 毎月の金額を見ると安く見えますが、累積すると結構な高額になることがわかります。このまま紙で保存を続けますか。思案のしどころです。

■紙での保管がコスト的に優位か? 

 3.5TBをクラウドストレージで保存した場合の追加料金は、SharepointOnlineで105万円、Boxでは追加費用無しとないます。
 いずれも電子化文書での保存が有利であることを示しています。電子化文書にしておけば、検索性、参照スピードは紙保存に比べ圧倒的に優位になります。

■書類保管箱1000箱の電子化(スキャニングコスト)は、どの程度か

 ネットで公開されている情報では、紙文書1枚のスキャニングサービスのコストは4円~10円程度です。書類保管箱1000箱、350万枚の書類とすると1400万円~3500万円の費用が掛かります。

 電子化することのメリットはもちろんありますが、スキャニングコストを含めて電子化することでコストアップにならないように慎重な検討が必要です。

■皆さんも試算してみませんか

 今回の試算に使用しました値は仮の値ですので、紙の文書を大量にお持ちの方は、自社に当て嵌めて試算してみてはどうでしょうか。特に、スキャニング費用については自社内で閑散期作業として行うという手もあるかも知れません。

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