インボイス制度準備中の方へ。 適格請求書の写しの保存も必要です。紙へ戻る必要はあるのか?
インボイス制度のスタートは、令和5年10月1日に迫っていますが、皆さんは、どこまで準備が進んでいますか。
令和5年10月1日から登録を受けるためには、原則として、適格請求書発行事業者登録を令和5年3月31日までに登録する必要があります。売上規模が小さい事業者(免税業者)の方では、登録の要否の検討中の方も多いかと思います。
売手の事業者では、適格請求書のフォーマットの調整をされたり、買手の取引先の方は、入手した適格請求書の確認・処理の調査をされていることと思います。
実際の運用を開始すると、上図のように、売手は、発行した「適格請求書」の写しを保存することが必要になります。
電子帳簿保存法・電子取引の主旨に反するように思うのですが、買手の中には一部、電子ファイルになっていた「適格請求書」を書面(紙)に戻す要求をしようとしている方もいるようです。
そんな時、売手の方が判断に悩むのは、「適格請求書」を電子ファイルで作成しているのに、買手から書面(紙)を要求された時、写しも書面(紙)で持たねばいけないのかという疑問です。
この疑問は、インボイスQ&Aに掲載されています。
以下に、抜粋します。
問64「適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しの保存が義務付けられるとのことですが、”交付した適格請求書の写し”とは、交付した書類を複写したものでなければならないのですか。【令和元年7月追加】」
答「交付した適格請求書の写し」とは、交付した書類そのものを複写したものに限らず、その適格請求書の記載事項が確認できる程度の記載がされているものもこれに含まれますので、例えば、適格簡易請求書に係るレジのジャーナル、複数の適格請求書の記載事項に係る一覧表や明細表などの保存があれば足りることとなります。
※ 自己が一貫して電子計算機を使用して作成した適格請求書については、その写しを電磁的記録により保存することも認められます。
つまり、下図のように「適格請求書」を電子ファイルで作成しているなら、書面で発行したとしても、電子保存でいいということになっています。もちろん、保存要件は電子帳簿保存法の電子取引の要件を満たす必要があるので注意してください。
電子帳簿保存法における電子取引の宥恕期間が2年間あると言っても、来年の10月1日から売手とし、適格請求書を保存していく義務が生じます。それならば、インボイス制度開始に同期して、電子帳簿保存法における電子取引要件での保存も開始しませんか。
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