【お知らせ】マイクロフィルム、いよいよ終了へ ~その準備、できていますか?~

▶ はじめに

 長年、文書の保存メディアとして使われてきたマイクロフィルム。ですが、近年の需要減少を受け、ついに生産終了が正式に発表されました。
 2025年3月下旬、富士フイルム株式会社の公式サイトにて、以下の内容が案内されています。

マイクロフィルム:2025年12月26日 最終受注

処理薬品:2026年3月27日 最終受注

 ある程度予想されていたとはいえ、「ついに来たか」と感じた方も多いのではないでしょうか?
 では、具体的な対応の準備はできていますか?

▶ いまこそ、社内で共有すべきとき

 今回の発表は、マイクロフィルムに関する課題を組織内でオープンに共有するチャンスです。

 マイクロフィルムは使っている部署が限られているため、これまでは経営層にまで話が上がりづらく、現場レベルで抱え込んでいた企業も多いのでは?

 ですが今回は、全国共通の正式なアナウンスです。
 「うちもそろそろ動かないと」と、組織全体で考えるタイミングが来ています。

利用状況別:こんな対応がおすすめです

🟢 ケース①|いまも新規作成をしている

 年内は発注可能とはいえ、2026年度からは完全移行が必要になります。
 以下のような準備を早めに進めましょう。

•代替手段の検討

•新システムの評価・選定

•導入スケジュールと予算の確保

🟡 ケース②|過去に作成したマイクロフィルムを保管している
a)保存環境をしっかり守っている場合

 保存状態が良好であれば、ある程度の延命は可能です。
 ただし、もし劣化が起きても、複製をつくることが難しくなる可能性があるので注意が必要です。
 → すべてを電子化せずとも、劣化対策の優先順位を決めておきましょう。

b)あまり適切な保存ができていない場合

 事務所などで長年保管していたフィルムは、劣化が進んでいる可能性が高いです。
 まずは、サンプルを抜き取って、どのくらい劣化しているかを確認してみるのがおすすめです。

📌 よくある劣化のサイン:

•カビ

•フィルム同士がくっついている/膜面がはがれている

•クラック(ひび割れ)

•酢酸のようなニオイ/波打ち

•変色・退色 など

💡 詳しくは、JIIMAの「マイクロフィルム保存の手引き」をご覧ください。

▶ デジタル化も視野に入れて

 フィルムの劣化が進んでいるなら、デジタル化が現実的な対策になります。
 ただし、コストがかかるため、まずは保管しているフィルムの中から「本当に残すべきもの」を選定していくのが現実的です。

 マイクロフィルムの生産終了は、記録の保存方法を見直す良いタイミングです。
 「文書情報マネージャー認定取得セミナー」では、文書管理の基本からデジタルデータの長期保存まで、実務に役立つ知識をしっかり学べます。

▶ 最後に

•マイクロフィルムは2025年末で受注終了

•処理薬品も20263月で終了予定

•今こそ、対応を検討する絶好のチャンス

 これを機に、「うちはこのままでいいのか?」とぜひ社内で話題にしてみてください。
 未来の情報管理の形を、いっしょに考えていきましょう。