「木を見て森を見ずになっていませんか?」 文書整理、分類だけでは、不十分です!
皆さんの組織では、文書情報マネジメントはどのような段階にありますか。まさか「そんなことには、興味がない」という状況にはないですよね。6月14日の研究会に講師としてお招きしているデロイト トーマツ コンサルティング合同会社では、情報ガバナンスの習熟度評価を下図のような5段階と考えているとのことです。
以下は、私見にはなりますが、述べさせていただきます。
多くの方が文書管理というと思い浮かべるのが、文書(紙・電子)の「整理、分類」だと思います。これが出来ている状態は、この習熟度で言えばどの段階に相当すると思いますか。
驚くことなかれ、初期(intial)でしかないのです。
日本では、この段階にまで至らない組織、あるいは、この段階で満足してしまう組織が大多数ではないでしょうか。身近な5Sを例にとれば、整理・整頓の段階でしょうか。
組織として、安定的に統制・制御していくためには、その整理、分類をして組織活動を進める規則、手順などを定義(Defined)することが必要です。
規則、手順を制定して初めて、一歩前進なのです。
次の段階が、再現可能(Repeatable)で、定義された状況が維持します。
5Sでいえば、清掃、清潔、しつけの段階に相当するでしょうか。
しかしながら、情報ガバナンスの目指しているところは、そのレベルではありません。
その業務、その管理目的からすればどこまでやっておかねばならないか。その目標をもって、文書情報マネジメントを含めて進めるのが、管理下(Managed)です。
そして、理想的な形となった上で、PDCAも回っているのが最適化(Optimized)です。
例えば、知的財産の保護や訴訟対応を考えると、当然のことながら、今までこうやって管理してきたから大丈夫とか、とにかくタイムスタンプを押しておけば安心ということにならないのは自明の理です。つまり、今までこうやっていましたの整理だけでは、森の中で木しか見ていないのも同然と言えるのではないでしょうか。
情報ガバナンスという観点からは、米国との訴訟になることも想定して、e-Discovery対応も整備しておかねばなりません。ガバナンスは、ボトムアップからだけではなく、達成目標からの落とし込みが必要です。つまり「森を見る」ことも大切になります。そしてその結果、従来の保管で足りなかった文書を増やしますし、不要と判断した文書は保管しない。さらに、その文書の残し方も効率化していきます。このように進めるには、管理下(Managed)の状態にしておく必要があります。しかしながら、いきなり管理下(Managed)の状態にすることは困難であり、まずは再現可能(Repeatable)の状態にもっていくことは情報ガバナンスの出発点だということがわかります。
どうですか、文書情報マネジメントに興味をもって頂けたでしょうか。
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