「これからの文書情報マネジメントを考える」その5
「探す」だけでなく、「案内する」も重視しましょう。
1.文書を探せない
電子文書管理で、「文書を探せない」ということが課題になった時には、
①人手作業のアプローチとして
・フォルダ構造を整理する。
・ファイル名、フォルダ名を工夫する。
②IT的なアプローチとして
・検索機能の充実
などをとることが多いです。
2.ベテランは探せるが、新人や新しく部署に来た人が探せない
「ベテランは探せるが、新人や新しく部署に来た人が探せない」という声もよく聞きます。
また、会社規則や会社からの告知や情報提供などについては、スタッフ部門の方からは入社から日が浅い人は探せないという声もよく聞きます。
3.「文書の存在を知らない人」は、探すことすらしない
「探す」という行為を考えた時、特に会社規則や会社からの告知、情報提供については効率的に、且つ、的確に見つけられる必要があります。
そんな時、見つけられる人と見つけられない人の一番大きな差異は何でしょうか。
それは、その文書の存在を知っているか否かが、大きな分岐点となるのではないでしょうか。
その文書があることを知っている人は、すぐには見つけられなくても、いろんな観点から探してみて発見に至る!となります。
しかし、そもそもその文書の存在を知らない方は、探すことすらしないでしょう。
4.「案内する」も重視してはどうでしょうか。
文書管理というと、とかく文書を保管して検索するということがこれまで重視されてきましたが、「案内する」も重視してはどうでしょうか。
「何かをやりたい」または「これを会社として守ってほしい」という場合は、これまでのように検索という「自分で探す方式」で必要な文書に辿り着くではなく、「自然と行き着く」手法も取り入れて必要な文書に辿り着けけるようにするのです。
一番簡単なのは、社内にポータルサイトを設置し、案内板で誘導・案内するのです。
5.案内板社内ポータルを設置する場合の重要なポイント
会社の規則や手順、告知などを作成するスタッフ側から見ると、自分の作った文書は非常に重要なのだから、通達やニュースメールを一本出して文書の保存先のリンクさえつけておけば、社員はそこを見にいくのは当然という気持ちになってしまいます。
一方、実業務を抱えた社員からみれば、通達やニュースを出されても実業務が中心であり、いちいち覚えてられないというのが本音だと思います。ここは、スタッフ側が実業務従事者に寄り添ってもらいたいと思います。「規則、手続き、文書作りました。ここに置いときます」ではもう古いのです。
そこでの具体的なポイントを以下にいくつかあげますので、参考にして頂ければと思います。
①スタッフ側が、実業務従事者の気持ちになって考える。
②実務従事者がどんな時に必要か、なぜ必要かを考え案内(ナビゲーション)する。
③社員が必ず知らなければいけない事項については、マップなどを作成し全体を俯瞰できるようにしておく。
④必ず知っておかなければならない事項については、e-learningなども準備し、その受講をフォローする。
6.社内ポータルは荷が重い? 軽くでもはじめましょう。
そうは言っても、本格的な社内ポータルの作成は手間がかかったり、なにより費用がかかります。
一方、必要な文書に辿りつけることを助けることが目的ですので、メンテナンスがしやすいことが優先となります。まずは、自社のスキルレベル、かけられる費用を考慮してのスモールスタートだけでも切ることをお勧めします。
一番軽くは、案内をEXCELやPDFにして、そこから各文書にリンクを貼る方法があります。
ファイルサーバー内で、みんなで見るフォルダーを指定し、その配下に案内のEXCELやPDFを配置します。
Box導入ユーザーならば、BoxNotesも使いやすいです。Sharepoint導入ユーザーならSharepointサイトを社内ポータルとして利用できます。そこから高度になっていけば、WordPressを使ったり、個別にHTMLやCSSで組み込むという風に進化させてはと思います。
いかがでしょうか。