第18回JIIMAベストプラクティス賞授賞事例について
第18回JIIMAベストプラクティス賞授賞事例について
令和6年9月18日
公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会
理事長 勝丸 泰志
日本文書情報マネジメント協会(略称;JIIMA)は、65年以上にわたり文書情報マネジメントの普及啓発に努めているこの業界で国内唯一の公認団体です。マイクロフィルムの普及からスタートした活動は時代の変遷とともに変化し、現在では「日本のあらゆる組織の価値を高めるために、文書情報マネジメントの実践を通じてDXを加速するようにリードする協会」を目指して、文書情報マネジメントを普及啓発する公益活動を続けております。その一環として2007年(平成19年)より先進的な文書情報マネジメントシステムを導入し、顕著な成果を出された企業・団体に対して『ベストプラクティス賞』を設け表彰しております。
本年度の第18回JIIMAベストプラクティス賞は、審査委員会での厳正な審査の結果、下記の4事例に授賞が決定し、JIIMAホームページで公表すると共に、11月13日(水)から開催予定のJIIMA主催 『デジタルドキュメント2024ウェビナー』で受賞記念講演を行います。
<記>
(以下、敬称略)
1.福岡運輸株式会社 【優秀賞】
・推薦者;キヤノンマーケティングジャパン株式会社
・テーマ;「受領書保管業務のペーパーレス化により受領書と配送データの一元管理を実現し、問い合わせ対応の即時化と業務効率の大幅な向上を達成」
・評価ポイント;物流業界の2024年問題への解決策の一つとして、紙の受領書の電子保管に留まらず、既存システムにある配送データとの自動照合を組み込まれた事で、配送業務で発生する情報を漏れなく正確に一元管理し、活用を可能とする文書情報マネジメントを実現された点を評価した。
【先進性】
業界全体の傾向として、これまで踏み込んだ改革が遅れていた「拠点で発生する文書」に対してメスを入れられ、業務改革を実現されたことが先進的である。
2.エム・エム ブリッジ株式会社 【優秀賞】
・推薦者;リコージャパン株式会社
・テーマ;「電子帳簿保存法対応を契機に購買業務DXを実現 ~デジタル化で業務を革新、柔軟な働き方をサポートする環境へ~」
・評価ポイント;対象業務と利用帳票の関係性をマトリックス化し、書類の特性を考慮した文書マネジメントを行うことで、複雑な文書管理を上手く整理されており、文書にはドキュメントリンク機能を設定し、関連文書をキーワードですぐに参照できるリンク設定をすることでワークフロー上での関連文書の参照のしやすさを向上された点が評価できる。
【先進性】
Saasサービスと自社システムとの連携による業務改善を実現(自社オンプレ基幹システムとSaasサービスの連携によるデジタル化)されており、それにより業務フローを変えることがなく業務のデジタル化が実現できた点が先進的である。
3.富士フイルムBI福井株式会社 【奨励賞】
・推薦者;株式会社アピックス
・テーマ;「新情報資産管理環境構築活動による全社DX推進の基盤作りと全社員の意識改革への取り組み」
・評価ポイント;先進的とはいえないが、文書情報管理環境の再構築の王道を歩んで愚直に実践した模範的な事例である。社内DXを推進するにあたり、安易にシステムやツールの導入を進めるのではなく、先ずは、情報の流れを整流化し、情報資産管理を明確にする基盤作りを重要な位置づけとして全社で真摯に取り組んだ側面は、DXを進める企業でも取り組むべき活動と評価できる。
【特記事項】
定めていた運用の定着確認や効果測定が未実施の状況となっていたことの反省として、本来の狙いを達成すべく推進体制を見直して、DX化に向けて顧客情報(契約書や管理帳票など)の電子化を進めることや、重要情報資産の管理と利用者の利便性向上を推進することを再設定し、新情報資産管理環境の定着を粛々と進め始めているとのことなので、事例発表の際は、この点もフォローしていただきたい。
4.埼玉県中央青果株式会社 【奨励賞】
・推薦者;AIS株式会社
・テーマ;「青果卸市場における電帳法対応と社内全文書電子化の両立」
・評価ポイント;業務遂行のために必要な文書管理ルールならびに電帳法対応の為に必要な文書の取扱い方をシステムに組み込んであり、これにより、ユーザー企業は文書情報マネジメントに関する知見、経験が不足していても、導入SEの支援により、短期間で、文書管理ルール等を確定し、文書情報マネジメントに基づく文書管理も継続的に維持できたとされており、評価できる。なお、ユーザー目線での説明が欠如しており、賞の趣旨としての先進性が発揮できているとは評価できないため、奨励賞とした。
以上
■JIIMAについて
公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)は、文書情報マネジメントの普及啓発に関する事業を行い、文書情報の利用者に貢献するとともに関連産業の振興を図ることを目的とする公益法人です。1958年に日本マイクロ写真協会として設立し、1995年に社団法人日本画像情報マネジメント協会に改称後、2013年に内閣府から公益認定を受け現在の協会名に改称しております。公益事業としては、文書情報マネジメントに関する調査研究、関連規格の作成及び標準化の推進、展示会・セミナー等の開催、人材育成、電子帳簿保存法関連のソフトウェア認証等を行っています。
■本件連絡先
公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会
事務局長・渉外担当部長 黒柳 裕士
〒101-0041
東京都千代田区神田須田町2-19 ライダーズビル7階
TEL 03-5244-4781 FAX 03-5244-4782