大阪府庁本館地下倉庫で火災発生! 公文書を消失!
はじめに
皆さん、この火災をご存じでしょうか。令和7年1月12日12時過ぎ、大阪府庁本館地下1階の倉庫で火災が発生し、保管されていた公文書などが消失しました。
大阪府からは次のように報告されています。
本日(令和7年1月12日(日曜日))12時過ぎ、府庁本館において火災が発生しました。倉庫内の一部が焼損しましたが、人的被害はありません。
現在、大阪府警察、大阪市消防が出火原因等について、調査中です。
産経新聞では次のように報道しています。
・翌13日に行われた記者団からの取材に対し、吉村洋文府知事は「倉庫の天井にある非常用照明が点灯した際、近くに積んでいた書類が高温になり、出火した可能性がある」と述べました。
・府によると、火災のあった倉庫は約70平方メートルの広さで書類を保管。出火当時は施錠されていた。激しく燃えたのは、棚の上に置かれた書類入りの段ボール箱で、天井の非常用照明に接近していたという。
・本館では12日午前10時20分ごろから電機設備の点検を行うため全館を停電させており、その際に非常用照明が点灯。約2時間後に火災が起きた。
・吉村知事によれば、照明の説明書では物との距離を70センチ以上離すよう警告されていたといい、館内の照明を確認し近くに物を置く行為を禁止するよう指示した。
1.公文書消失事件です。
今回の火災は、公文書消失事件に相当するものと思いますが、その観点での府からの説明、報道機関からのフォローがないのは誠に残念です。
対火災という観点でのBCP対策はどうなっていたのでしょう。
以前は、火災対策と言えば、スプリンクラーが定番でしたが、スプリンクラーを使うと書類に水がかかります。コンピュータ室では、機器に水がかからないよう、ハロゲン設備の導入も増えていまいしたが、現在では環境保護の観点で、二酸化炭素設備への切り替えが進んでいます。
今回、有効に働いたのは火災報知器でした。もし、火災報知器が機能しなかったなら、公文書は全消失した可能性すらあります。また、約50年前の1973年7月12日米国国立公文書館(NARA)の国立人事記録センター(National Personnel Records Center )で火災が発生し、所管していた軍人に関する人事記録の多くを焼失しています。今回の火災は不幸中の幸いとも言えるかも知れません。
大阪府には、本格的な対策を取ることを期待したいです。
2.他山の石とする
この火災による公文書消失を他山の石として、他の地方自治体はもとより、民間企業においてもBCP対策の見直しをお勧めします。
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