社長 M&Aの備えはできていますか? 盲点! 文書情報資産の管理
■会社の発展に欠かせないM&Aだが
社長にとっては、事業を発展・継続していくためにM&Aは常に検討すべき事項となっています。他社を吸収合併する、他社から事業譲渡を受ける、もしくは他社に事業を譲渡する。多様な選択肢があろうかと思います。
そんな時に最初に見ていくのが、貸借対照表やそこから導き出される企業価値となります。たしかにそこには有形固定資産、無形固定資産といった外形的な資産価値が記載されています。
■デューデリジェンス調査項目
M&Aの検討も本格化すると買い手側は、売り手側に詳細調査(デューデリジェンス)を始めることになります。主な項目は、以下のような事項と言われています。
1)会社の基本的な情報
2)財務・税務に関する情報
3)事業に関する情報
4)法務に関する情報
5)人事・労務に関する情報
6)その他の情報
■文書情報資産は、どのように管理されているか把握できてますか
これらの情報を提示するためには、当たり前ですが、会社として、組織として保存している記録を基にする必要があります。普段は文書管理という言葉でそんなものは現場でやっといてという感覚になってしまうのかも知れませんが、M&Aに際してはそれらは「資産」であり、信頼のおける状態で保存、利用できなければいけないということになりませんか。
こういう目で、自社の文書情報の管理状況を確認してみてはどうでしょうか。
ファイルサーバーやクラウドストレージの中に、文書が思いつくまま置かれている。いつでも間違って情報を書換えられるようになっているようでは、信頼できる保存状況ではないですね。
■文書情報資産上は、事業の一部譲渡が一番リスクがあります
これはどういうことかというと、文書情報を保存して数年も経てばその文書がどの製品に関連していたものなのか、どのサービスに関係していたものなのかがわからなくなってきます。
特に、社内の組織変更などの際に、責任者不明の文書情報は発生しがちです。
知的資産や将来的に権利や訴訟に関連したものについては、その区別をつけ、責任者の明確化が必要です。これは一朝一夕でできることではありません。
例えば、文書情報のメタデータとして、製品コードや事業コードを持たせておき管理するなどの方式もあるでしょう。
そうしておかないと、M&Aの際に必要な情報を渡し損ねたり、もらい損ねることが発生します。このような情報があることすら知らないのは、大きなリスクにもなります。
文書情報を大切な資産として管理せず、現場任せの会社の事業や製品・サービスを譲り受けたいですか?
M&Aにも対応できるよう、これからは、文書情報は事業や製品・サービスとも紐づけて管理して行きませんか?
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